クリエイティブプランナーが知っておきたい ターゲティングと言語化

クリエイティブプランナーが知っておきたい ターゲティングと言語化

「クリエイティブ(バナー)を作成する」と聞くと「センスが大事」だと思いませんか?
私も以前はそう思っていました。
しかし、実際に業務として携わっていく中で、クリエイティブプランナーには「センス」以上に「ターゲット理解」と「言語化」が大切だと感じるようになりました。

クリエイティブプランナーは、クライアントに依頼されてLPの情報だけで、すぐに手を動かしているわけではありません。
クライアントからヒアリングを行ったり、社内メンバーと意見を出し合い、方向性をすり合わせたりと、言語化しながら複数のステップを踏むことで、ユーザーの目を引きつける「良いクリエイティブ」は完成します。

自社プロダクトの「Penglue」を例にあげると、配信開始までに下記のステップがあります。

  • 社内チームでディスカッション →言語化・ターゲット理解
  • シナリオやクリエイティブ案を出す(テキストベース) →言語化
  • クライアントにヒアリング →言語化・ターゲット理解
  • シナリオやクリエイティブを制作・提案  →制作意図を言語化

私がPenglueのシナリオ作成や運用に携わっていてよく感じるのは、「クライアントの強み」と「ユーザーが知りたい情報」は必ずしもイコールではないということです。
クリエイティブを提案する制作者やクライアントも含め、正しくターゲット理解ができていなければ思うように成果を出すことができません。
では、ターゲット理解や言語化とはどのようなことなのか具体的に見ていきます。

ターゲットの理解

まずは商品やサービスのターゲットを理解することが重要です。
たとえクリエイティブが納得のいく出来栄えだったとしても、成果に繋がらなければそれは良いクリエイティブとは言えません。
ユーザーの属性やペルソナを理解し、ユーザーが求めている情報を伝えることが出来なければバナーはクリックされず成果獲得は見込めません。

ユーザーの立場になる

企業が推したいメリットではなく、ユーザー視点でサービスのどんな情報を知りたいのか、他と比較してどうだったら利用するのかを考える必要があります。
クライアントが訴求したいポイントも大事ですが、まずはサービスの利用を考えているユーザーの悩みを解決することが優先です。

ベネフィットやオファーは必ず提示する

企業が推したいメリットではなく、ユーザー視点に立つというお話をしましたが、ユーザーの得になるようなベネフィットやオファーは必ず入れておきます。

例えば、

  • アンケートに答えてクーポンプレゼント
  • LINE限定10%OFF
  • 骨格診断でアナタに似合う洋服が分かる  など
POPUPバナーの例

口コミサイトやSNSを見てみる

商材にもよりますが、案を出す際に口コミサイトやTwitterなどのSNSを見て情報収集することもあります。
サービスを利用したユーザーや悩みを抱えるユーザーの生の声が分かるのでおすすめです。
ただ、一部の口コミサイトにはサクラもいるようなので注意が必要です!

クリエイティブこそ言語化が大切な理由

クリエイティブプランナーやデザイナーが持つ感覚的な視点こそ、言語化できなければチームのメンバーやクライアントにも伝わりません。
クリエイティブには主観が伴うので、クライアントとの認識のズレを防ぐためにも言語化してロジカルに伝えることが大切です。

参考:「言語化能力」を鍛えたいなら “これ” を減らして “アウトプット” を増やしなさい

クリエイティブを客観的に見ることができる

言語化するということは、自分が作ったクリエイティブを誰が見ても理解できるように言葉にするということです。
Penglueを利用していただいている企業様へは制作意図を必ず添えています。
なぜそのデザインやキャッチコピーにしたのか、理由を伝えることでお客様にも納得してもらえますし、今後の分析・改善にも役立ちます。

制作がスムーズになる

クリエイティブを他の人に客観的に伝えられるということは、作ったクリエイティブの目的が明確であるということです。
特に明確な意味もなく要素や図形を追加するのであれば、それは不要な要素ですし、必要な要素が無ければ不十分なクリエイティブになってしまいます。
言語化することは、完成したクリエイティブを他の人に説明して理解してもらうだけではなく、自分自身が制作する過程でも必要なプロセスと言えます。

言語化能力を鍛える

辞書には「体験が個別的・主観的」であるのに対し「経験は一般的・客観的」とあります。つまり、体験を客観的な視点で人が理解できるよう言語化できれば、言語力が育つということ。

「言語化能力」を鍛えたいなら “これ” を減らして “アウトプット” を増やしなさい

以下のように、自分の体験をどんどんアウトプットしていくことで言語化能力が鍛えられるはずです。

  • 映画を観て(体験を)レビューを書く(経験化)
  • 本を読んで(体験を)書評を書く(経験化)
  • 日々の出来事(体験を)をブログに書く(経験化)
  • ちょっとした出来事(体験を)をSNSに書く(経験化)
  • 学んだこと(インプット/体験)を人に説明する(経験化)

個人的には、商品のレビューを書くことも良いと思います。
私は、第三者に対して購入した商品のどこが良くてどこが悪かったのか、感情を抜きにして、できるだけ具体的に商品の情報を書くように心がけています。
レビューを書けば、言語化能力をきたえつつ、ポイントも貯まったりするので一石二鳥ですね(笑)

参考:「言語化能力」を鍛えたいなら “これ” を減らして “アウトプット” を増やしなさい

まとめ:機械に感情までは読み取れない

運用型広告でも自動化が進み、Google広告ではパフォーマンス最大化(P-MAX)キャンペーンというものも出てきましたね。
精度はまだまだのようですが、これから学習が進むことでさらに効果的なクリエイティブを自動で作成していくのだと思います。

ただ、機械が自動でクリエイティブを作成できるようになっても、ユーザーが感じていることやユーザーもまだ知りえないニーズを見つけられるのはまだまだ人間です。
クリエイティブの改善活動を行う上で、どこが良くてどこが悪かったのかを言語化して分析し、ターゲットユーザーに合わせてクリエイティブを運用していくことが重要です。

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