日本の主要なSNSの中でもLINEは圧倒的な人気を誇っており、「利用していて当たり前」といっても過言ではないほど、我々の生活に浸透しています。
総務省発表の「令和2年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」では、調査対象のすべての年代においてLINEの利用率が非常に高くなっています。
本記事では、LINE広告の最新運用TIPSをご紹介してまいります。
Small Image AD
2021年夏ごろより Small Image AD がリリースされ、小さい画像サイズ(600×400 px)の広告を入稿できるようになりました。
Small Image AD はトークリストとNEWS面の一部に配信される広告フォーマットです。
従来の2サイズ(1200×628 px, 1080×1080 px)で、トークリストなどを含むLINEのすべての静止画広告配信枠に掲載を行うことが可能ですが、Small Image ADは配信される面が限られており、入札オークションで勝ちやすいとされています。
LINE広告全体のImp比率は、トークリストが全静⽌画Impのうちの50%以上を占めており、ここでの入札勝率を高めることで配信を伸ばすことができます。
トークリストはYahooディスプレイ広告におけるブランドパネル広告のように、LINEアプリ起動時に最初に目につきやすい場所であるため、視認性が高くユーザーに対する有効な接点になりやすいと考えられます。またトークリストは各配信先の中でもImp在庫が多いため、CPMも低い傾向にあります。
Small Image AD の配信設計
Small Image ADの配信は、既存の配信とは別に新しい広告グループを立てて行うことが推奨されています。
LINE広告のオークションは、まず広告グループ単位でオークションが行われ、次にアカウント間でのオークションが行われます。
1つの広告グループ内で、特定の広告にImpが集中している状態のとき、この広告グループに新しい広告を入稿しても、広告グループ内のオークションで勝てないために、アカウント間のオークションに参加しにくくなる可能性があります。
一方、コンバージョン数を目標に配信しているプロモーションでは、広告グループを分割することで、最適化に必要なコンバージョン数(累計約40件)が確保できなくなる可能性があります。その場合、マイクロコンバージョンをコンバージョンとして設定することで、学習データ量を補うことができます。
Small Image AD のクリエイティブ作成ポイント
Small Image ADのクリエイティブ入稿には、画像に加えて「タイトル(20文字以内)」と、「長いタイトル(35文字以内)」が必要になります。広告がトークリストに配信される場合は画像と「長いタイトル」が、LINE NEWS面に配信される場合には「タイトル」が表示されます。
※2023年10月20日のアップデートに伴いトークリストの表示サイズが拡大されたことにより、長いタイトル(1行目)・長いタイトル(2行目)が廃止され、「長いタイトル(35文字以内)」へ1本化されました。(2023年10月25日現在)
特にトークリスト上部への配信では、他の広告フォーマット(静止画カード、スクエア)で広告主名が表示される部分に、Small Image ADではもう1つタイトルを入れることが可能なため、訴求の自由度が高いのが特徴です。
この記事では、特にトークリスト上部への配信に注目し、クリエイティブ作成ポイントを解説していきます。
画像は視認性を担保
トークリスト上部への配信は、LINE NEWS面やLINE VOOM(旧”タイムライン”)面と比較すると画像のサイズが小さくなるため、画像内の情報を増やすと視認性が低くなり、クリックされにくくなる傾向があります。
そのため、画像はあくまでもユーザーに注目させるものとして、シンプルでわかりやすい内容とすることが推奨されています。
実際の掲載例として、人材系であれば「急募」、通販系であれば「20%OFF」、ゲームアプリであれば「基本無料」など、短くもインパクトの強い訴求を画像で見せ、詳細はテキストで見せるクリエイティブがトレンドとなっています。ページがめくれるようなデザインも、リンク先でしか得られない情報を示唆するものとして、CTRを改善できる傾向にあるようです。
※LINEのコンテンツと誤認される恐れのあるクリエイティブは、審査落ちする可能性があります。
あるいは、あえて短く目に留まりやすいタイトル(「速報」「限定」「特典」など)を、記号や隅付き括弧【】と組み合わせることでも、広告の注目度を上げることができます。
デモグラ配信
Apple社のiOSアップデートにより、Appleデバイスの端末内のアプリにトラッキング制限(ATT = App Tracking Transparency)がかけられるようになりました。これを受け、特にLINE広告ネットワーク面でのリターゲティング、類似配信、詳細ターゲティングなどの配信が減少しているようです。
いっぽう、年齢・性別ターゲティングなどのデモグラ配信はATTの影響を受けにくく、配信をさらに増やすことができるとされます。
十分な配信量を担保するために、配信手法にかかわらず、既存のターゲティングでの配信と並行しデモグラ配信を追加で行うことが推奨されています。
デモグラ配信では、配信する年齢・性別に対し「20代女子限定」「40代女性のxxx」など、ターゲットを明確にする訴求を打つことで、自分ごと化を促しアクションに導くクリエイティブがトレンドのようです。
まとめ
LINE広告の中で最もインプレッションが多くなっているのがトークリストで、全体の50%を占めるほど直近の広告出稿が増えてきています。その中でトークリストにおける配信量が多い広告フォーマットはSmall Image Adとなっています。
LINE広告においてSmall Image Adを攻略することができるかが、他社に対しアドバンテージをとる一つの要因となるでしょう。
ターゲティングもなるべく広く取ることで、特にiOSユーザーの取りこぼしを防ぎ、成果拡大につなげることができると考えられます。
現在の運用を少しでも改善し、売り上げを伸ばすヒントとして活用いただけると幸いです。