こんにちはアイトリガーの梅原です!
アイトリガーでは所感を通して日々変化する広告での数値をお客様へご報告し、広告配信状況を共有しています。
どのような所感であれば、KPI達成に向けたご説明をお客様にできるでしょうか?
今回は「運用型広告での所感の考え方」をご紹介します。お客様への今後の情報共有にご活用いただけますと幸いです。
所感の流れ
1. 数値の総括(サマリ)、配信状況をお伝えする
多くの場合、まずは数値や配信状況の客観的な事実を伝えることから始めます。
この後のフェイズで分析や提案を伝えるためにも、お客様へまずは「掲載期間での数値や配信状況はどうだったか(またはどのようなことをしたか)」という情報を共有しましょう。
【例】
・配信全体の成果獲得数は100件、CPA10,000円でした。
・AキャンペーンはCPA10,000円で獲得できており、目標CPA単価にて入札を強化いたしました。
・訴求Aでは10万円配信し、掲載期間全体でCPA2,000円にて50件の成果を獲得しました。
お客様求めている情報は、表面的な数値の全体像ではなく、KPI達成に向けた重要指標の結果です。
そのため、KPIに関連する数値をお伝えすることがポイントとなります。
例えばKPIがCPAの場合には、成果が獲得できている施策の数値、獲得できていない施策の数値を記載すると良いでしょう。
お伝えするべき重要な数値は、掲載状況によって異なるため、ときにはレポートより深堀りしてお伝えするべき数値を考える必要があります。
2. 数値の変化をお伝えする
数値や配信状況の客観的な事実をお伝えした後は、その事実により配信状況がどのように変化しているかに触れます。
KPIに対して未達の場合は目標との乖離を確認し、関連数値の推移をご報告しましょう。
【例】
・先月CPAを抑えて獲得できていた訴求Aにて「XXX」関連キーワードを追加しました。
先週のCPAが10,000円だったのに対し、今週はCPA8,000円で推移しており15件の成果を獲得しました。
・施策全体でのCPAは25,000円と、KPIであるCPA20,000円には未達ですが、前月のCPA30,000円と比較してKPIとの乖離は小さくなってきています。
・今月実施した施策により「XXX」関連キーワードでのクリック率が向上し、クリック単価40円(先月比:-15円)、クリック数12,000回(先月比:+2,000回)にて配信いたしました。
ポイントは「何が」「どのくらい」「どのように」変化したかとお伝えすることです。
お客様が読みにくい文章になってしまうことを避け、簡潔にお伝えしましょう。
3. KPIに対する分析と対策・提案をお伝えする
2で示した数値が変化する背景には、ロジカルに考えられる要因が存在します。この要因を分析し、対策や提案をしましょう。
KPIがCPAの場合、アカウントをキャンペーン、広告グループ、広告・キーワードとドリルダウンして見ていき、どこがボトルネックとなっているかを見ていくと良いでしょう。
ボトルネックの要因に仮説をたて、それを元に課題を分析し、より確度の高い提案をお伝えしましょう。
所感に記載する内容は、今後のことだけでなく、レポート集計期間中に実施した施策や調整も記載すると良いでしょう。
【例】
・成果獲得状況から施策Aの入札を抑制し、施策Bでの配信を強化いたしました。
施策Bでは「〇〇〇」を訴求したキーワードにて成果が獲得できており、「〇〇〇」関連ワードにて更なる獲得が見込めます。施策Bでの配信強化にあたり、キーワードの追加をご提案します。
・リターゲティング施策でのCVR減少、リーチ率の状況から同一ユーザーに広告があたりすぎている状況が考えられます。
配信状況の改善にあたり、リターゲティングでの配信母数を増やすことのできる新規向け配信施策をご提案いたします。
・潜在層向けの施策からの新規流入ユーザーをいかに顕在ユーザーにできるかが成果最大化のカギとなっています。
GAでのサイトの平均滞在時間や離脱率の数値からも、離脱防止と再訪問を促す施策により更なる獲得が期待できます。
来期の成果最大化に向け、サイト訪問ユーザーの離脱を防ぎ、チャットボットによるオンライン接客を実現できるPenglue※と、それにあわせたリターゲティング施策をご提案いたします。
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こうしたアクションがすべて良い結果を生むとは限りませんが、分析と対策・提案を行っていくことで、KPIの達成、ひいてはKGIの達成につながっていきます。
しっかりと状況をご説明することで、目標の達成に向けた広告運用をしていることをお客様にお伝えできるでしょう。
所感が上手く書けないときの改善方法
さて、これまでは良い運用型広告の所感の流れについてご紹介しました。
しかし、はじめはこのような良い所感を書くのは難しいものです。
そんなときはこれからご紹介する改善方法をご参考になさってください。
1. 数値のみのご報告になってしまう場合
要因の分析と対策が無く、数値のみの所感は、情報を受け取るお客様にとって、しばしば役立たないご報告になってしまいます。
不適切な所感の例
先月のCPAはGoogleにて25,000円、Yahoo!にて30,000円と高騰しています。クリック単価が200円から300円に上がってしまったことが要因です。
このような所感では掲載状況に対するアクションが無く、お客様を不安にさせてしまいます。
また、表面的なファクトしかなく「どこがボトルネックになっているか」という視点での根本原因までを分析できていない点も問題があると言えるでしょう。
こういった問題は、数値の報告部分、報告部分を元にした分析・提案部分を切り分け、それぞれについて記載することで改善につながります。
改善例
先月のCPAはGoogleでは25,000円、Yahoo!では30,000円でした。
先々月に成果を獲得できていた訴求Aでのクリック単価が200円から300円に上がったことがCPA高騰の一因となっています。
対策としてCPA10,000円代で成果を獲得できている「XXX」関連キーワードにて入札を強化し、また関連キーワードでは「AAA」「BBB」など、成果につながらないワードでの除外を行いました。調整により現在はGoogle・Yahoo!ともにCPA20,000円以下にて獲得できております。
引き続きクリック単価の状況を見ながら調整をして参ります。
2. 数値の関係性が不適切な場合
数値の関係性を適切に理解できていない場合、分析にてKPIを達成するための指標の分解をできず、なかなか良い提案ができていないことがよくあります。
運用型広告の数値の関係性について正しい理解を進め、適切な分析や対策・提案をしましょう。
以下の図は運用型広告でのKPI達成のためのロジックツリーです。改善提案の参考までにご活用いただけますと幸いです。
図からもわかる通り、CPAが上がる(または下がる)要因は複数考えられます。
早期に要因を決めつけて誤った情報を伝えてしまわないよう、数値を確認して分析するようにしましょう。
仮説として考えられる要因を元に、施策を実施するのも有効です。
その場合は実施する施策により成果が悪化する場合もありますので、PDCAのC(チェック)をセットで実施し、その施策が本当に有効であったかを確かめましょう。
終わりに
私は所感をただのレポートとセットとなる文章ではなく、お客様との運用状況を共有するためのコミュニケーションツールとして、しばしば活用しています。
今回の内容を通じて、お客様に情報共有やご提案をする手助けや、お客様のパートナーとしてデジタルマーケティングサービスをご提供する手助けになれば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。