2021年5月から日本国内ではじめてのテレビCMを開始し、日本のユーザー獲得を強化しているPinterest(ピンタレスト)。
さらに2022年前半には日本での広告事業の開始を発表しました。今回はそんなPinterest広告についてご紹介します。
Pinterestとは
Pinterestは2010年3月にアメリカでリリースされ、2013年11月から日本語版をリリースしました。
現時点で公開されているユーザー数は全世界で4億7500万人以上、日本国内は870万人とされています。
FacebookやInstagram、Twitterと比べると日本国内のユーザー数はまだまだ小さな規模ですが、2021年5月からテレビCMを開始し、ユーザー獲得を強化しています。
またコロナ禍において大きな成長をしているサービスの一つであり、月間利用者数は前年比で1.6倍、Pinterest内での検索数は2.5倍、さらにその中でもインテリア関連の検索数は24倍と急激な伸びとなっています。
コロナにより在宅時間が長くなったことにより理想のインテリアをPinterestで探すという行動が増えたということでしょう。
そもそもPinterestは気になる画像をピン(保存)していくサービスです。画像を軸にしたサービスということでInstagramと比較されることが多いので以下の図にInstagramとの違いをまとめてみました。
一番の違いはフォローしている人の投稿を閲覧しコミュニケーションを取るInstagramに対して、Pinterestは自分の気になる領域において新しい発見を得ることがサービスの軸となっています。
そのためユーザー同士のネットワークというものはあまりなく、Pinterestも自身のことをSNSではなく、ビジュアル探索ツールと表現しています。
Pinterestを使用しているとホーム画面が自分仕様に染まっていくことがすぐにわかります。サイト内での検索などを通じて自分の興味のある画像を閲覧していくと機械学習によって閲覧した画像と類似している画像などを表示してくれるのです。
そういった機能を通じてユーザーは知らなかったけど自分の好みに合う商品と出会うことができ、ブランド側はそのブランドのデザインを求めているユーザーと接点を持つことが可能になります。
Instagramを通じてブランドのファンとコミュニケーションを取ることに加えて、Pinterestによって新しいファン候補の方との接点を作る、これがブランドがInstagramに加えてPinterestを活用していく意義ではないでしょうか。
Pinterest広告とは
Pinterest広告は欧米では以前からサービス提供されていますが、日本国内では2021年12月現在利用できません。
しかしながら2022年前半から日本国内でも広告事業の開始予定というリリースがあり、日本のアカウントの場合、広告配信はできないものの以前は確認できなかった管理画面が現在は確認できるようになっています。
そこでその管理画面を確認し、どのような配信方法や設定ができるのかご紹介していきたいと思います。
広告アカウントについてはPinterestのビジネスアカウントを開設すると上部のナビゲーションに「広告」が出てきますのでここからアクセス可能です。
アカウント構造とタグ
まずPinterest広告を利用するにあたりアカウント構造と、最初に準備が必要な計測用のタグについてご紹介します。
アカウント構造については基本的に他の広告プラットフォームと同様の構造で最上位階層にキャンペーンが位置し、その配下に広告グループ、その下に広告があります。
それぞれの階層においての設定項目については後述します。
- キャンペーン
- 広告グループ
- 広告
- 広告グループ
次にタグについてです。タグは管理画面上の「コンバージョン数」から取得可能で、設置方法から「ウェブサイトにコードを追加する」を選択すると以下のようにタグが表示されます。
設置においては、GTMのタグタイプに「Pinterest Tag」がありますので、これを利用するのが一番手軽かと思います。
基本的にはタグタイプ「Pinterest Tag」を選択して上記の画像の右上にある「タグID」を入力するのみです。
詳細はこちらのヘルプをご参照ください。
またPinterest広告のタグはFacebook広告と同様にベースコードとイベントコードで構成されています。ベースコードは全ページに設置し、イベントコードは購入完了などの特定のイベント地点に設置することでコンバージョン計測に活用します。
一方でFacebook広告のカスタムコンバージョンにあるようなベースコードを利用したURL指定でのコンバージョンポイントの作成はPinterest広告ではできないように見受けられます。
キャンペーン
キャンペーンでは以下の設定が可能です。
- キャンペーンの目的
- キャンペーンの予算タイプと予算額
- キャンペーンのスケジュール
そのため運用にあたっては目的ごとにキャンペーンを作成するということになります。
用意されているキャンペーンの目的は以下です。
- ブランド認知度
- 最適化対象:広告のリーチ
- 課金:CPM
- 動画視聴回数
- 最適化対象:動画視聴
- 課金:CPV(2秒以上の視聴で課金)
- 検討促進
- 最適化対象:広告クリック
- 課金:CPC
- コンバージョン数
- 最適化対象:コンバージョン
- 課金:CPC
広告グループ
広告グループでは主に配信するターゲティング設定を行います。
選択できるターゲティング内容をご紹介します。
オーディエンスリスト
オーディエンスの種類としては全部で4種類です。
- エンゲージメント
- サイト訪問者
- 顧客リスト
- 行動が似ている顧客
サイト訪問者はリターゲティングですね。顧客リストはGoogle広告のカスタマーマッチと同じです。
Pinterestらしいものといえばエンゲージメントでしょうか。既存のピンに対して興味を示した方をターゲットとすることが可能です。もちろんピン単位で指定可能です。
行動が似ている顧客はエンゲージメント、サイト訪問者、顧客リストを元にした類似ユーザーのオーディエンスとなります。
トピックとキーワード
用意されているカテゴリ、または任意のキーワードを入力し、それらに興味を持っているユーザーへ広告を配信します。
キーワード指定は完全一致、フレーズ一致、部分一致が可能なことに加えて、完全一致、フレーズ一致での除外キーワードとしての登録も可能です。
マッチタイプの詳細はこちらからご確認ください。GoogleやYahoo!とは少し異なるようです。
カテゴリでの指定の場合はそのカテゴリに合致するピンに対して興味を持っているユーザーへ広告が配信されます。
キーワードの場合はPinterest内でそれらのキーワードによる検索を行ったユーザーへ広告が配信されます。
人口統計
こちらではユーザーのデモグラフィック指定やが可能です。
- 性別
- 年齢
- エリア
- 言語
- デバイス
現時点ではエリアから日本は選択できませんでした。
プレースメント
Pinterest内のどの場所に表示するかを選択します。
- すべて
- 閲覧
- 検索
閲覧の場合は主にユーザーのホームフィードに表示され、検索の場合は主に検索結果画面に表示されます。
同じPinterestの中でも検索結果は具体的な何かを探している状況、ホームフィードはこれまでの閲覧、検索内容からPinterest側でレコメンドしているものを見ている状況ですので、同じ商品であってもそれぞれの状況に合わせたクリエイティブを用意する方が良いでしょうね。
広告
ターゲット設定が完了したら、最後に広告を作成します。これまでオーガニックピンとして投稿していたピンを使用することも可能ですし、広告用に新たなピンの作成も可能です。
画像または動画とタイトル、説明文、リンク先URLを登録します。
Pinterestでは縦長画像が推奨されており、サイズは1,000×1,500となります。
以上で設定が完了です。
最後に
まだ日本国内での配信ができないため、2022年5月30日に日本国内でも広告配信が開始されています。
自社での配信実績がまだないため、基本的な設定内容のご紹介のみとなってしまいましたが、管理画面や設定できる内容を見ていると、ターゲティング内容やクリエイティブによって非常に高いパフォーマンスを予感させるものでした。
自社での実績ができた際には、速報レポートも投稿したいと思いますのでお楽しみに。