こんにちはアイトリガーの梅原です!
近年、様々な定期購入サービスが世を賑わせています。定期購入商品やリピート通販では、皆様はどのように広告配信のKPIを設定されていますでしょうか?
複数回のご購入が前提となる場合、CPAをどのように設定すればよいでしょうか?
今回は「定期購入商品でのCPAの考え方」をご紹介します。
これから定期購入やリピート商品の運用を始める方がいらっしゃれば、参考にしていただけると幸いです。
CPAの計算方法
一般的にCPAをいくらまで許容できるかは、 上限CPAを赤字にならないラインで設定する場合、 下記の式で計算できます。
上限CPA = 平均購買単価 × 利益率
しかし定期購入商品であれば、お客様のご購入は1回だけではありません。
先ほどの式に「平均継続期間」と「平均購買頻度」を加えてみましょう。
上限CPA = 平均継続期間 × 平均購買頻度 × 平均購買単価 × 利益率
このように上限CPAを考える上での指標を分解することが可能です。
実際の計算では次のようになります。
【例】定期購入商品での上限CPAを求める場合
- 平均継続期間:6.5カ月
- 平均購買頻度:1回 /月
- 定期通常購入価格:15,000円/月
- 利益率:20%
- 初回購入半額の場合
上限CPA =(6.5カ月 – 0.5カ月※)× 1回 × 15,000円/月 × 20%
= 18,000円
※初回購入半額による減額分
この例では、上限CPA18,000円になりますので、半額の初回購入金額7,500円を超える目標CPAであっても、継続的な利益を生み出せます。
このように、CPAを分解することで顧客生涯価値(以後、ライフタイムバリュー)も含めたKPI設定が可能となります。
なおライフタイムバリュー基準で目標CPAを設定した場合には、獲得して数ヶ月は赤字の状態となりますので、許容幅を検討の上で設定する必要がある点にはご注意ください。
平均継続期間、平均購買頻度、平均購買単価・・・各指標を上げるには?
さて、CPAを数式として考えるだけであれば、先ほどの計算式で今回のお話は終了ですが、今回はさらに分解した指標にも注目してみましょう。
分解した各指標を上げることは、ユーザー1人あたりから獲得できる売上単価を上げることになり、売上を最大化する上では、集客・新規獲得の次に必要なプロセスとなります。
先ほどの計算式の右側が上がれば、その分だけ左側の上限CPAも高く設定でき、ユーザーの獲得や集客に使える金額を増やすことができますよね。
「平均継続期間」や「平均購買単価」を上げる施策、つまりはリピーターになっていただく施策や合わせ買いをしていただく施策は、お客さまとの関係性を作る施策 = CRM施策※ と呼ばれます。
お客様を大事にすることが売上につながる、売上につながる関係性を可視化して最大化できる、なんて夢のある話ですよね。
※CRM:カスタマーリレーションシップマネージメント(顧客関係管理)
終わりに
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
CPAが単に広告を配信する上でクリック単価から導き出されるものではなく、継続的なお客様との関係性の中で、ビジネスの成長とともに育んでいけるKPIになればいいなと思い、こんな記事を書きました。
設定したKPIを元に、配信するメディアの選定や分析軸の設定した上で広告配信をすれば、マーケティング施策の最適化にもご活用いただけます。
定期購入商品での目標CPAの考え方について、少しでも参考になれば幸いです。